
不交付後に入管へ理由開示請求は必要?再申請に効くケース・効かないケース
このページでわかること
結婚ビザ(在留資格認定証明書)が不交付になったあと、多くの人が「入管にもっと詳しい理由を聞けないの?」と考えます。たしかに不交付通知書の文面は抽象的で「婚姻の実態が確認できない」「生活基盤が不安定」など短い表現に留まるのが普通です。
そこで検討されるのが、「理由開示請求」や「情報公開請求」。ただし、必ずしも再申請の近見tになるとは限りません。本記事では、その仕組み・メリット、デメリット・使いどころ、そして現実的に許可につながる準備の優先順位を行政書士の視点で整理します。
1.「理由開示請求」とは何か(似ている手続との違い)
まず、名称が混同されがちなので整理します。
● 理由開示(説明の求め)
不交付通知の記載理由について、担当部門に説明を求める行為。窓口や文書での照会を指すこともありますが、審査の詳 細や内部判断基準まで明かされることは通常ありません。
● 情報公開請求
行政機関が保有する文書の開示を求める正式手続。審査記録などの一部が対象になり得ますが、個人情報・審査手法・第三者情報は黒塗り(不開示)になりやすく、結論に直結する情報は得られにくいのが実情です。期間目安は概ね数週間から1か月超え。
● 行政不服申立て
不交付という処分自体の見直しを求める法定手続。結果が覆る可能性はゼロではありませんが、時間がかかり(数ヶ月~)、再申請に比べて実務上の費用効果が低いケースが多いです。
※不交付理由が「明らかな誤認」だと確信できる特殊事案を除く。
2.申請すべき?しないべき?現実的な判断フローチャート
以下のどれかに当てはまるなら、まずは再申請準備を優先が基本です。
✅ 不交付理由が「婚姻実態/生活基盤/整合性」など一般的な表現
✅ 前回提出から生活状況や証拠が明らかに強化できる
✅ 提出書類の更新・差し替え・理由書の再構成で改善余地が大きい
一方、次のケースは理由開示や情報公開を検討してもよい場面です。
✅ 複数回の不交付が続き、改善点がどうしても見えない
✅ 重大な事実誤認の可能性が具体的に疑われる
迷ったら:まず専門家が不交付通知+提出書類一式を精査し、「開示請求の効果があるか」を短時間で判定できます。経験則では、大半の事案は丁寧な再申請の方が早く・確実です。
3.理由開示・情報公開のメリットとデメリット
結論:”開示で戦う”より”書類で伝える”が王道。開示は「詰んでいる時の補助線」と考えるのが現実的です。
4.再申請に直結する「実務的な代替策」
行政書士として許可になってきた事案は、例外なく提出物の改善で突破しています。開示に時間を割くより、次を先に着手しましょう。
1.理由書の再構成
前回の不交付理由を引用→不足の自覚→今回の改善→今後の生活設計、という順で短文・具体的に。
2.証拠の”質”の向上
・婚姻実態:時系列の写真(家族含む)、通話/メッセージ抜粋、送金・往来履歴
・生活基盤:在職証明・給与明細、同居予定の賃貸契約、家計表、援助証明
・整合性:日付/住所/金額の完全一致、最新版への差し替え
3.インデックス(目次)同梱
審査官が迷わない並びに
例)①申請書類②婚姻実態資料③生活基盤資料④第三者陳述
4.提出タイミングの最適化
3か月前後で改善実績を積んでからの再申請が鉄則
5.それでも「理由開示」を使うなら:有効な使いどころ
✅ 同一論点で2回以上の不交付で、改善しても論点が読めない
✅ 事実誤認の疑い
※実務では、まず窓口での一般的な説明の可否を確認→見込みが薄ければ、情報公開請求の可否と想定開示範囲を専門家と事前にシミュレーションしましょう。
まとめ:開示は補助線。王道は「改善×再申請」
不交付の原因が一般的な論点であれば、理由開示請求は必須ではありません。
再申請で結果を変えるのは、整理された理由書・整合性のとれた最新書類・生活実態の具体的証拠です。
● まずは通知文の一文を起点に論点を特定
● 3か月前後で改善実績を作り、資料を時系列・目次付きで提出
● 開示は、論点が見えない時の補助として限定的に活用
家族法務ブレイクスルーセンター/フェアウェイ行政書士事務所では、不交付通知の分析から開示の要否判断まで個別にご提案します。迷ったら一度ご相談ください。
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